3月17日に奈良女子大学で、「宇宙人にみせたいもの、みっけ ~オープンデータのはじめの一歩~」を開催しました。
5歳から8歳の子どもを対象に、参加者相互に見せ合うことが共有・オープンの第一歩と考え、「うまくいった」「楽しかった」「失敗した」といった体験を通して、オープンデータに関心を持つ素地をつくることを狙った観察のワークショップです。
【ワークショップの流れ】
①まるいものをiPadで撮る。
きょろきょろと見渡し、まるいものを発見。
初対面の子どもたちが「まるいものあった!」と声をかけあったり、
写した写真を見せ合う場面も。
お互いに写しあいっこ。服のボタンとiPadのカメラレンズを。
子どもたちが撮ったまるいもの。その数、3人で900枚あまり。
②好きな写真を、一人につき10枚選んで印刷する。
iPadと持ち込んだインクジェットプリンタを無線LAN(Flash air)でつないで印刷。
(反省点として、iPadから直接データを送ると印刷に時間がかかったので、AirDropを使ってiPad→Mac→インクジェットプリンタでいくのがよさそうです。)
③印刷した写真を地図に貼る。
④ミッション「かくれんぼしている宇宙人を探せ!」
⑤まるを顔に見立てて落書き。宇宙人増殖中。
最初は遠慮して自分が撮った写真だけに落書きしていた子どもたち。
そのうち、他の子どもが撮った写真にもシールをペタリ。
⑥自分の好きな一枚をおしえっこ。
「こもれび」「アンテナ」「正体不明の青いまる」がそれぞれのお気に入り。
【観察について】
「観察とは、日常にある違和感に気付くこと」(菅俊一『観察の練習』より)
二種類の観察を狙いました。
①フォーカスを変えると、今まで見えなかったものが見えてくることを体験する(まるを探し始めると、まるくみえるものが目に飛び込んでくる)。
②対象から別の意味を読み取る。
※小学校高学年なら、知識・記憶による観察ができるので、異なるアプローチが可能。
ワークショップですることに観察を選んだのは、どんな事柄でもインプットの質がアウトプットの質を決めるので、インプットの方法を提供したかったこと、視点を変えると異なるものが見えてくる体験を通じて、自分で遊びを作れる子どもに育ってほしいな、という願いからです。
【所感】
本ワークショップは参加者を限定して行いました。「5歳から8歳向け」「観察」のワークショップは、企画者兼ファシリテーターを務めた筆者には始めての試みだったため、参加者の様子を観察しながら進めました。
5歳から8歳の子どもにとって、iPadで写真を撮るのは楽しいこと、また操作がたやすいこと、視界にとらえれる範囲で次の対象があると、あきずに走り回ることがわかりました。
参加した子どもが全員「またやりたい!」と言ってくれたこと、保護者の「与えられたことをこなせることで自信につながっている様子」という感想から、いい体験を提供できたのではと思います。(文=玉泉京子)